2000/12/07
国会議員アンケート結果から

障害者欠格条項をなくす会
アンケートの概要
◆回答数及び回答率

【設問1 欠格条項についての関心度】

【設問2 欠格条項と関連するできごとはどれか

資料(設問2の選択肢の解説)


【設問3 欠格条項見直しをめぐる議論】

▼第一項目 医者に関する欠格条項について
◆医者に関する欠格条項について:設問3-(1)

▼第二項目 運転免許の欠格条項について
◆運転免許に関する欠格条項について:設問3-(2)

▼第三項目 見直しの方向性について
◆見直しの方向性:設問3-(3)

【設問4 議員としてのとりくみ】
◆議員としての取り組み:設問4

◆勉強方法:設問4-(1)
◆具体的な活動:設問4-(2)

【コメント】(議員からの自由記述回答)



欠格条項に関する国会議員へのアンケート

アンケートの概要
趣旨  障害者の社会参加を阻む第四の壁といわれ、今年度後半に見直しが かかっているものも多数ある「欠格条項」について、国会議員に緊急アンケ ートご協力をよびかけた。なお、人名は表記しない形で報告を出すとしてい
た。

時期  2000年9月後半(配布日9/7〜9/8 回収日 9/22,9/29)
対象  衆議院・参議院の全ての国会議員
方法  手渡し配布・訪問回収。FAXや郵便で回答をいただいたものもある。
回答率 回答率は19.6%、政党別の回答率は大きな格差がある。



回答数及び回答率

党名 ,総数 回答数 回答率
自民 338 13 3.80%
公明 54 14.80%
保守 13 0.0%
与党合計 405 21 5.20%
民主 182 58 31.90%
社民 31 21 64.70%
自由 27 4 14.80%
43 72 72.10%
その他 43 8 18.60%
野党合計 326 122 37.40%
総計 731 143 19.60%

【設問1 欠格条項についての関心度】

平均では「以前から関心を持っていた」57.3%、「聞いたことがある」36.4 %。
「アンケートで初めて知った」は4名、無回答5名。ある程度関心をもつ議員が回答したことがうかがえる。


◆欠格条項についての関心度:設問1

記号の意味
a. 以前から関心を持っていた
b. 聞いたことがある
c. このアンケートで初めて知った

党名 % % c
自民 61.50 30.80 0 1
公明 87.50 12.50 0 0
保守 0 0 0 0 0 0
与党合計 15 70.40 5 23.80 0 1
民主 30 51.70 24 41.40 1 3
社民 14 66.70 5 23.80 2 0
自由 1 25.00 3 75.00 0 0
20 64.50 10 32.30 0 1
その他 2 25.00 5 62.50 1 0
野党合計 67 54.90 47 38.50 4 4
総計 82 57.30 52 36.40 4 5

「関心の理由」について、51名の記述があった。
・議員活動の上で接点(厚生委員会の審議を聞いて、自ら質問した、地方議 員として国への意見書など取り扱った、様々なバリアをなくす課題に取り 組んできたから、障害者・関係者との懇談会等で話を聞いた
・仕事上のつながりがある(自身が医師、看護婦、薬剤師として職務経験が あり、欠格条項に疑問を感じていた、等)
・直接のかかわりがある(障害者とつきあいがある,身近に相談を受けた、 当事者運動とのかかわり)
・その他…海外との比較で、免許申請却下された薬大卒業生の事を知って 理不尽な事が多いので、等。


【設問2 欠格条項と関連するできごとはどれか】
選択肢はすべて実在の体験。この設問は、欠格条項のもとで障害者が社会生 活上どのような排除・制限を受けているのかについて、どの程度具体的に知 られているか傾向をはかる趣旨。厳密な意味で「アンケート」になっていな いというお叱りもあった。それぞれのできごとについて解説は文末資料を参 照。
fタクシーの乗車拒否と、i聴覚障害のボクサーの公式試合出場禁止は、法令 の規定はなく欠格条項には該当しない。b図書館利用、c議会傍聴、hプール は、自治体が定める「地方条例」に関係するもの。欠格条項を「法律・政 令・規則」に限定すれば、選択肢9個のうち4個が直接「欠格条項と関連す るもの」になる。「地方条例」を含めると選択肢9個のうち7個となる。1 個から3個を選択した議員が41名だった。薬剤師の事例が最もよく知られて いるなど、認知度の差ははっきり出たが、全体に、欠格条項の実態がそれほ ど具体的に知られているわけではないことも、明らかになった。


各選択項目
a.無事故で運転してきたのに障害があるからといって免許を取り消された
b.図書館の利用を断られた
c.議会の傍聴を認められなかった
d.薬剤師の国家試験に合格したが、免許申請を却下された
e.色覚が理由でボート免許の講習を受けられなかった
f.タクシーに乗ろうと手を挙げても車椅子のせいか止まってくれない
g.公営住宅に申し込もうとしたら介助が必要な人は入居資格がないと言わ れた
h.障害者スポーツセンターのプールなのに知的障害者は一人で入れなかっ
i.プロボクサーになったのに、聴覚障害のため公式試合に出場できなかっ

選択された数 選択された項目
134 薬剤師の国家試験に合格したが、免許申請を却下された
109 色覚が理由でボート免許の講習を受けられなかった
102 無事故で運転してきたのに障害があるからといって免許を取り消された
101 公営住宅に申し込もうとしたら介助が必要な人は入居資格がないと言われた
50 障害者スポーツセンターのプールなのに知的障害者は一人で入れなかっ
39 議会の傍聴を認められなかった
35 図書館の利用を断られた
35 プロボクサーになったのに、聴覚障害のため公式試合に出場できなかっ
タクシーに乗ろうと手を挙げても車椅子のせいか止まってくれない
選んだ選択肢個数に対応した議員数
選んだ選択肢個数  
議員数 17 19 43 15 11 17


資料(設問2の選択肢について解説)

a.無事故で運転してきたのに障害があるからといって免許を取り消された
←「道路交通法」第88条は、「精神病者、知的障害者、てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者」に第1種免許又は第2 種免許を与えないとしている。運用上は一定程度の緩和が進んできたが、法 律上の絶対的欠格は見直されてこなかった。とりわけ「てんかん」については、現在も非常に厳しい運用となっており、事故を起こしたわけでもないのに免許を取り消された実例さえある。

1999-2000年に海外に調査して回答を得た中では、個人の状況に応じて一定の運転制限が設定される場合はあるが、「てんかん」というだけの理由で免許を与えないとする国はなかった。


b.図書館の利用を断られた
←精神病者等の図書館利用を制限する地方条例が、2000年8月時点で東京都内に2区1市あった。


c.議会の傍聴を認められなかった
←精神病者等に議会の傍聴を認めない地方条例が、2000年8月時点で、東京都内に2村、埼玉県内に3市4町1村あった。


d.薬剤師の国家試験に合格したが、免許申請を却下された
←「薬剤師法」第4条は、「目が見えない者、耳がきこえない者又は口がきけない者」に免許を与えないとしている欠格条項。薬剤師の場合、受験に関する欠格条項はなく、国家試験を受験して合格したにもかかわらず、 4条により聴覚障害を理由に免許申請を却下されている例がある。

e.色覚が理由でボート免許の講習を受けられなかった
←「小型船舶操縦士」各級の免許をとるには、講習を受けて受験するが、 受講・受験にあたっては、予備身体検査を受けて医師の証明書を提出する。 従来は、「弁色力」検査の結果「強度の色弱」または「色盲」と診断され た人は、受講・受験資格がないとされ、結果として免許を取得できなかった。法制上は「船舶職員法施行規則」に規定。1999年「五級小型船舶操縦 士資格」創設に伴い、「強度の色弱」とされた場合でも、ブイの赤黄青識 別ができるならば、日の出から日没までに航行時間制限された免許が交付されるようになった。


f.タクシーに乗ろうと手を挙げても車椅子のせいか止まってくれない
←バスや船舶については、精神病者や車いす使用者の単独乗車を制限する法令が1999年まであった。(海上運送法第9条第3項の規定に基づく標準運 送約款、車いす利用者の乗合バス乗車について基本通達、旅客自動車運送 事業等運輸規則)タクシーについては法令の定めは見当たらないが、外見で障害者とわかる人の場合、乗車拒否は実際非常に多い。


g.公営住宅に申し込もうとしたら介助が必要な人は入居資格がないと言われた
←最近まで、入居者募集のしおりに、「ひとり暮らしができる人」「介護 を必要としない人」等の記述をしている公営住宅が少なくなかった。2000 年7月、「公営住宅法施行令」が改正され、介護が必要な人も、必要な介護を得られるならば、公営住宅の単身用に入居できる趣旨が明記された。 しかし、欠格条項自体は削除されていず、なお介護が必要な重度障害者排除につながる懸念がある。また身体障害者には「単身入居枠」があるが、 知的、精神障害者には「単身入居枠」がなく設置が必要である。


h.障害者スポーツセンターのプールなのに知的障害者は一人で入れなかっ
←地方条例に、精神病者等の公営プール利用を制限しているものがある。 2000年8月時点で、東京都内に2市2町、埼玉県内に1市1町、神奈川県内に1町あった。ここにあげている障害者スポーツセンターの実例は、地 域の地方条例は障害者基本法などを受けて条例改正し、全ての障害者が利用できることになっていた。ところが、センターが改めて内規を設けて、知的障害者などに特別の判定基準をつくり、付き添い人なしにプールに入ることを制限していたものである。


i.プロボクサーになったのに、聴覚障害のため公式試合に出場できなかっ
←これは法令の定めではなく、日本ボクシングコミッション(JBC)が、 「医事運営規則」で「両側の著名なる聴力障害」を持つものは「試合出場 禁止」としている。このため、プロライセンスを得ながら、ついに公式試合に出場できないまま引退したボクサーがいる。




【設問3 欠格条項見直しをめぐる議論】

▼第一項目 医者に関する欠格条項について
◆医者に関する欠格条項について:設問3-(1)

(記号の意味)
a. 障害者でも国家試験を受験できるようにすべきだ。そして合格したときに仕事をする上でどのような支援が必要か検討し、免許を与える
b. 今まで
どうりでよい
c. どちらともいえない

党名 % c %
自民 11 84.60 0 2 15.40 0
公明 8 100.00 0 0 0.0 0
保守 0 0 0 0 0 0
与党合計 19 90.50 0 2 9.50 0
民主 56 96.50 0 2 3.50 0
社民 21 100.00 0 0 0.00 0
自由 3 75.00 0 0 0.00 1
29 93.50 0 0 0.00 2
その他 6 75.00 0 1 12.50 1
野党合計 115 94.30 0 3 2.50 4
総計 134 93.70 0 5 3.50 4

《選択回答》
回答した議員の93.7%(143名中134名)が欠格条項の廃止に賛成して いる。
「今までどうりでよい」と回答した議員は一人もいない。


《自由記述回答》
★職業選択の自由
・人権の尊重及び職業選択の自由から等しく受験資格を得ることは社会を構 成する人間として当然の権利である。


★教育のバリアフリー
・職業上のバリアフリーと同時に教育のバリアフリーも推進すべき。特に大 学など専門的な教育機関で、現実に教育を受ける権利が一部で阻害されて いることは由々しき問題。障害者の「教育を受ける権利」を確保するため に、施設面のみならず、サポート体制の確立など、障害者がハンディを乗 り越えるための教育環境における施策を推進していきたい。


★発想の転換を〜能力や技量を評価、障害をカバーする方法
・能力や技量があるならば当然認めるべき。障害者を取り巻く状況の変化、 障害があっても活躍されている方々の実態をふまえ「欠格」というマイナ ス思考から脱却し、「どうやって能力を生かすか」というプラス思考に転 換することが大切だと思います。

・障害を理由に一律に排除するのではなく、本人その業務における能力など を総合的に見て評価するべき。

・視力・聴力などの喪失を医師資格の絶対的欠格条項とすることは改めるべ き。障害を理由に資格を取得できなくすることは、障害者の社会参加を妨 げるものであり、能力があれば認めていくべき。

・運転免許の試験に合格する能力や技能があれば、健常者や障害者の区別な く、免許が与えられるべきです。障害を持つ人が車を使うことによって、 くらしの利便さや生きる力が得られることに、人為的な障害を作るべきで はありません。ただ、通行人の安全という観点のみならず、運転者の安全 という点から、よく医療関係者、専門家と相談しながら、具体的には、進 めていく方が良いと思います。

・障害を持っていても、それをカバーする適切な施策が講じられれば、その 資格や業務に必要な能力を持っている障害者は多い。欠格条項の全面的な 見直しを速やかに実施すべきです。

・国家試験受験の権利は障害を理由に妨げてはならない。合格者の障害につ いては、それをカバーする適切な施策を講じることが社会的責任ではない でしょうか。

・障害を持っていても、それをカバーする適切な施策が講じられれば、その 資格や業務に必要な能力を持っている障害者の方は多いと思います。法制 度の見直しが必要です。

・勤務場所や対応、支援によって、職業は続けられると思います。

・時代錯誤な差別的な欠格条項を見直し、廃止するだけでなく資格試験や講 習会の持ち方も、手話通訳、点字試験の準備など十分に配慮する必要があ る。欠格条項の問題は、「共生」の社会を考える上で大変重要である。

・社会参加のためには、就業できるかできないかは、大きな分岐点である。 また、同じ人間として障害者が経済的自立できるよう環境の整備を進める べきだと考える。

・問題があることはとりあえず禁止しておこうというのが役人の発想。まず そこから変える必要がある。


★障害があるからこそ・・・
・同じ障害をもつ医師がいることは相談しやすいなど、患者にとっても心強 いと思います。

・心とからだの不自由さに理解があってこそ、信頼も得られるのではないで しょうか。障害者が様々な分野で活動することは、人間が人間らしく生き働 く社会をつくる上で重要だと思う。世界では人的・物的援助をうけ障害者が 立派に専門分野をこなす条件を作っている国も多くある。能力を生かした社 会参加の条件を行政が作っていくべきです。

・医師の仕事も多様であり、障害を持ちながら十分できる分野があります。 むしろ障害ももっていることで患者さんの気持ちをより深く理解できるこ とは、利点とも言えます。

・障害を持った人が、行政に参画することは弱者への配慮が社会に還元する と思う。


★ その他
・このような条項が残存していること自体、信じられないことである。

・障害者にも医師国家試験受験を認め、免許を与えるべきと思うが、実際の 医療行為については、その者の障害の態様に応じた行為制限を設けるべき だ。例えば聴力障害者の打診を禁じ、目の不自由な人のレントゲン写真の 判定を禁じるといった…。

・どのようにサポートするべきか、今まであまりにも抜け落ちていたため、 官庁、議員、だれもがわかっていないと思う。現状、データ、アイディア 等をもっとこちらに伝え、教えていただきたい。

・最近、医療機関の事故が相次ぎ、多くの人たちが心配しています。そのよ うな環境の中で障害者を受け入れることにはまだ抵抗があると思います。

・障害の段階によって職業別に資格試験の基準を設定することを提案したい。

・運転免許証では、視力が悪くとも、眼鏡等の使用を条件に交付されている。 医師の場合は、運転免許ほど単純にはいかないだろうが、適切な条件をつ け体制を整えることによって免許付与できるのでは。

・医師は患者の命をあずかる職業であり、患者の安全やその安心感にも配慮 する必要がある。

・現在進められている見直しの結果を待ちたい。


▼第二項目 運転免許の欠格条項について
◆運転免許に関する欠格条項について:設問3-(2)

(記号の意味)
a.運転免許の障害者に関する欠格条項は撤廃し、客観的データに基づいて 事故防止に取り組むべきだ
b.今までどうりでよい
c.どちらともいえない

党名 % c c+ %
自民 6 46.20 3 3 6 46.20
公明 4 50.00 0 2 2 4 50.00
保守 0 0 0 0 0 0 0
与党合計 10 47.60 1 5 5 10 47.60
民主 50 86.50 3 5 0 8 8.60
社民 19 .90.50 0 2 0 2 9.50
自由 2 50.00 0 1 1 2 50.00
4 12.90 0 1 26 27 87.10
その他 4 50.00 1 2 1 3 12.50
野党合計 79 64.80 4 11 28 39 32.00
総計 89 62.20 5 16 33 49 34.30

《選択回答》
・「欠格条項は撤廃し客観的データに基づいて事故防止に取り組む」が62.2 %(143名中89名)。

・「どちらともいえない」「無回答」が34.3%と、態度保留が多い。回答傾 向は政党による違いも大きい。



《自由記述回答》
★一律に規定せず、能力や技能があれば資格を認めるべき
・障害を理由にして、資格取得を制限することは、障害者の社会参加を妨げ るものです。基本的には、能力や技量があれば、資格を認めるべきです。 関係する団体や専門家の意見を十分考慮して検討するべきと考えます。

・一律に規定することは誤り。自動車を運転するために必要な知識を技能、 判断能力などに問題がない限り運転免許は与えるべきです。但し、高齢者 の交通事故が増えているように、運転に支障がある状況のときは、運転を してはいけないとするなど、一定のルールが必要と思います。

・てんかんについても、薬物治療による良好なコントロールができていれば、 運転には問題ないと思います。心臓病や脳血管障害のリスクのある人には 免許を与えているわけで、その点からも、障害者の欠格条項には合理性が ないと思います。

・欠格の相対化、厳密化、回復規定の明確化など検討されるべき事例。精神 病やてんかんの人に係る規定については削除されるべき。


★サポート器具の技術開発
・サポート器具の技術開発(例えばジョイ・スティック)によって身体に障 害のある人でも運転が可能になります。今後、研究開発に一層取り組むべ きと考えます。

★許可条件の明確化を
・制限を緩和すべきだが、病状にもよるので外国の事例も確認しながら「許 可条件」を明確に定めるべき。

・ある条件下で可とすべき。遠近視での眼鏡の必要性や、痙攣発作が一定期 間ない、など。最初から排除するのはやめるべき。(自分自身を守るため でもあり、他者に事故による被害をもたらさないため)


★あえて欠格条項を設ける必要はない
・例えば、全く目の見えない人は、事実上免許は取れないと思います。しか し、それをあえて欠格条項として、事前の差別をする必要はないと思いま す。


★その他
・障害者の運転教習は特別仕様車で実習されておりますが、運転免許の付与 に関し、特に問題は、持病であるてんかんの場合であります。定例の健康 診断証明書により、1〜2年間発作のない場合には、免許付与の方向で検討 することは賛成です。総体的に障害者が自ら公共道路の危険性や安全性を 立証することはたいへん困難であることに加え、自動車教習所の試験官の 知識を教化することが重要である。

・私は障害者運転者協会の会員であり、偏見など持っておりません。しかし、 障害の程度によって一方的に道交法をダメだといってしまうのは少し無理 があるように思います。

・安全性や身体的状況を加味して、規制緩和を推進すべきであると考える。

・障害を持つ人の人権を守り、公共の安全とも調和する柔軟なシステムを構 築すべきである。障害がある人を守るために運転を禁止する場合もあると 理解する。

・まさに「客観的データ」が重要になると思います。

・精神病と交通事故歴の関連性が本当に全くないと言えるのか。データを見 ていないので断言できない。そのため、この点については意見を保留した い。

・私の知人に「てんかん」の障害者がおりました。この病は身近にいる人で ないとよくわからないと思いますが、とても車の運転など無理です。交通 安全は絶対的な課題ですから慎重にしすぎるということは大切です。

・欠格条項は撤廃することはできない。技術の進歩を見ながら常に見直すこ とが必要だ。

・もう少し勉強させてください。専門家の意見も聞いてみたいと思います。


▼第三項目 見直しの方向性について
◆見直しの方向性:設問3-(3)

(記号の意味)
a.就職や免許の取得は人の一生を左右する問題。見直しは障害者の意見を よく聞いて人権に十分配慮して行うべきである
b.省庁にまかせる
c.どちらともいえない

党名 % c
自民 10 76.90 0 1 2
公明 8 100.00 0 0 0
保守 0 0 0 0 0
与党合計 18 85.70 1 5 5
民主 57 98.30 0 1 0
社民 21 .100.00 0 0 0
自由 2 75.00 0 0 1
31 100.00 0 0 0
その他 7 87.50 0 1 0
野党合計 119 97.50 0 2 1
総計 137 95.80 0 3 3

《選択回答》
若干の態度保留を除きほとんど全員が、「障害者の意見と人権への配慮」を した見直しを求めている。

「省庁にまかせる」という回答はゼロだった。

《自由記述回答》
★絶対的、相対的欠格ともに廃止
絶対的欠格・相対的欠格は共に廃止し、資格取得に必要な要件を希望者が満 たしているか否かのみで判断すべきと考える。


★聴聞の機会、説明責任
・個人の病状により専門家の判断が必要とされる。例えば、現政府が実施し ている「中央障害者施策推進協議会」に意見書や聴聞の機会があってしか るべきである。

・経済的自立が障害者自立の核心。その可能性をせばめる欠格条項は見直す べきであり、最低限説明責任を果たすべきである。


★自由権の侵害
・様々な職業に対する参入規制(自由権)の侵害であり、市場の機能を阻害 させるおそれがある。その意味で、「平等」という観点ではなく、「自 由」という観点から、参入規制は重大な問題と考える。又、規制する場合 は、「告知と聴聞」(notice and hearing)の機会を与えることは、人権重 視の立場からも市場重視の立場からも不可欠と考える。


★その他
・一律に聴聞を保障することが妥当かどうかはもう少し考えてみたいと思い ます。

・許認可基準の明確化など行政手続整備が必要。

・障害の程度や状態はさまざまなので、柔軟に対応すべき。

・ハンディを背負う人の就業につき、強い味方になるのが、「資格」である。 許認可を実態に即したものにすべきである。

・見直しが形だけのものとならないよう国会で、がんばりたいと思います。


【設問4 議員としてのとりくみ】
◆議員としての取り組み:設問4
(記号の意味)
a.かかわっていきたい
b.かかわれない

党名 % b+ %
自民 11 84.60. 0 2 2 15.40
公明 8 100.00 0 0 0 0.00
保守 0 0 0 0 0 0
与党合計 19 90.50 0 2 2 9.50
民主 51 87.90 4 3 7 12.10
社民 18 .85.70 0 3 3 14.30
自由 4 100.00 0 0 0 0.00
28 90.30 0 3 3 9.70
その他 7 87.50 0 1 1 12.50
野党合計 108 88.50 4 10 14 11.50
総計 127 88.80 4 12 16 11.20

《選択回答》
88.8%(143名中127名)の議員が「かかわっていきたい」と回答。

「かかわれない」4名、無記入12名。

「かかわっていきたい」と回答した議員が取り組むにあたっての勉強方法と して選択した内容は、最も多いのが「党内外の勉強会への参加」ついで「資 料・本の講読」。

そして具体的な活動としては「検討チームをつくり参加する」、「欠格条項 をなくしていくような法案づくりに積極的にかかわる」がほぼ同数ずつの回 答だった。


◆勉強方法:設問4-(1)

(記号の意味)
a.資料、本の購読
b.議員事務所に説明に来てほしい
c.党内または超党派議員による勉強会等への参加
d.その他

党名 c d
自民 6 3 12 0
公明 2 2 7 0
保守 0 0 0 0
与党合計 8 5 19 0
民主 25 9 37 5
社民 7 8 16 0
自由 1 0 2 1
16 7 22 1
その他 5 0 3 0
野党合計 54 24 80 7
総計 62 29 99 7



◆具体的な活動:設問4-(2)

(記号の意味)
a.党内または超党派でこの問題にかかわるチームを作って参加する
b.関連する委員会で質問する
c.欠格条項を無くしていくような法案づくりに積極的にかかわる
d.その他

党名 c d
自民 4 5 7 1
公明 3 6 2 1
保守 0 0 0 0
与党合計 7 11 9 2
民主 21 11 21 5
社民 9 4 8 2
自由 0 1 1 0
14 12 10 3
その他 1 1 2 1
野党合計 45 29 42 11
総計 52 40 51 13

《勉強内容や方法:「その他」を選択した議員の自由記述回答》
★地方条例に関して
・法律で規制されている欠格条項は、63法律あるが、これに伴う都道府県市 町村条例による欠格条項も数多くある。都道府県の条例なども含め、具体 的な生活実態と法的疎外関係について伺いたい。

★新しい法律
・欠格条項廃止法案の作成

★精神障害者
・私は、精神障害者の作業所の後援会に、全くの一市民の時から会員でした が、精神障害のみなさんを刺激したくなかったので、現場見学などは未だ していません。特に、精神障害について現場の意見を聞かせてほしい。

★調査活動
・必要な調査活動や世論形成のための運動にも関わり、みなさんと共に認識 を深めていきたいと考えます。

★勉強会
・集団的勉強会などで自らの関心を高め、社会的に働きかけ世論づくりに貢 献したいと思います。

★その他
・実際に地元の施設などを訪問し、対話の機会を持つ予定。

・多忙で協力出来ませんが、運動については理解しております。

・党は、今年2月、衆議院予算委で欠格条項見直しの遅れを追及し、国は「1 日も早く見直しが終わるよう全力でとりくむ」と答弁しました。引き続き会 派としても、議員としても見直しが早急に実現するよう努力します。

《議員としての具体的活動:「その他」を選択した議員の自由記述回答》

★党内の委員会等
・党内に、障害者に関する特別委員会が設置されていますので、法的処置も 含めてこの中で議論したい。

・党の政策役員として、党内での動きをバックアップする。

★超党派の議員連盟を
・超党派の議連が作れれば有効かと思います。

★その他
・色覚検査に関する質問趣意書の提出は準備しております。

・法律を調べる

・党は、障害者の当事者もメンバーとなっている「障害者政策小委員会」や 自治体議員を中心に「障害者議員連絡会」を構成し、欠格条項をはじめ障 害者問題に積極的に取り組んできている。しかし、精神障害者への対応は あと一歩と思われ、今後は更に強化していきたいと思っています。

・党として現在、地方議会レベルからの欠格条項の見直しを進める「意見 書」の採択を進める運動を障害者団体、市民団体と展開しているが、その 取組を引きつづき積極的に行う。

・党内に小委員会及び「障害者議連」が設置されており、欠格条項を含めて 諸課題について取り組んでいる。

・党として、障害を理由にした欠格条項は、障害者の社会参加への大きな 「制度の障壁」だと考えます。人は障害の有無にかかわらずチャレンジす る権利があるはずです。見直しの基本は、入り口のところで門を閉ざして はならないということ、門前払いの「欠格条項」は廃止して、あくまで一 人一人の能力に合わせて、受験や資格を与えるようにする。

・関係する委員の方と積極的にかかわってゆく。

・以前、バリアフリー議連というものがあったと思うのですが、そこを中心 に法案作りができないかと考えました。


【コメント】
最後に、「国連では10人に1人が、国によっては5〜6人に1人が「障害 者」だといわれています。障害をお持ちの議員がおられましたら、体験談や エピソード等おうかがいしたいと存じますので下記にコメントをいただけれ ば幸いです。」として、コメントをいただいた。

・家族に障害を持つものがいるため、この問題には関心を持って取り組みた い。

・加齢に伴って、誰にでも障害は起こります。スポーツや事故、災害など、 日常生活の中で誰でも障害をもつ可能性があります。障害者が安心して、 生活できる社会は何びと(健常者)にとっても安心して参加できる社会だ と思います。

・まず、自分自身の理解を深めることからは始めたい。

・外国に行けば、英語を話せない私はある意味では障害者です。通訳が常に 必要なのですから。つまりある部分だけですべて評価(欠格者だという) し、その人の人生(選択肢)を制約することはナンセンスなことだと思い ます。

・党「障害者対策小委員会」などで欠格条項をはじめ、障害者問題に積極的 に取りくむ。


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