「障害者等に係る欠格事由の適正化を図るための医師法等の関係法令改正試案」説明
厚生労働省障害保健福祉部+DPI日本会議
DPI日本会議への説明の時間を別途とってもらいました。
その時の記録をまとめましたので、掲載します。
改正試案に対するパブリックコメントを送る時の参考にしていただければと思います。
これを参考にして、パブリックコメントを出すときには、「DPI日本会議の記録によると」などの記述はしないほうがいいと思いますので、その点だけは留意してください。
あくまでも理解を深める上での参考資料の一部として、つかっていただければいいと思います。(念のため)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(以下、記録)
01年2月19日
質疑応答
DPI:平成11年8月の見直し指針にある「障害を特定する規定から、特定しない規定
への改正」は、省令等の運用事項については、達成されていないと考えるが、どう
か。
厚生労働:見直しの指針(対処方針)には、3つの方向が示されていて、必ずしも、
「障害を特定しない」ことだけが示されているのではない。障害は、ある程度、明確に
せざるを得ない。明確化することで、予測可能性を明らかにし、相対的欠格にあたら
ない人々を明確にする必要があると考える。臨床実習ができたかどうかという基準を
設け、判断方法を明確にすることで、できるうる限り排除が起きない配慮をしたい。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
DPI:個別具体的な状況を判断するためには、ガイドラインを作る必要があるのでは
ないか。また、ガイドラインをつくるための当事者も含んだ専門家によるオープンな
検討委員会などをつくる必要があるのではないか。その場合に、障害名を一括りであ
らわすのではなく、状態をあらわす表記に変える必要がある。
厚生労働:統一基準を含むガイドラインを作るのは、難しい。時間的にも、すでに法
改正を「待っている人たちがいるので」、延ばし延ばしにすることはできない。改正案
に書いたとおり、現時点で考えている判断方法は、「実習を受けているか、いない
か」に絞って考えている。ガイドラインなどの統一基準をつくることは、かえって、
ある状態にある人を絶対的に欠格としてしまう可能性があり、問題があると考える。
ガイドラインなどで厳密な判断基準を決定すれば、それは、厳密な欠格条項になって
しまうと考える。
DPI:本人が必要としている補助的手段に、補助者なども含まれると考えていいの
か。
厚生労働:現在の科学技術の進展などを合わせて考えることで、できる限り、幅広い
汎用性の高い補助的手段を使うことを念頭におく。但し、補助者など、一身専属的な
ものが、補助手段として認められるか、難しい。目の見えない人が、補助者を使って
業務を行ったとして、それは、誰がやったことになるのか。補助者が業務をやってい
ることにならないか。それを考えても、人的手段については、職による。医療行為を
補助者が行うということは、有り得ない。
DPI:例えば、手話通訳はどうか。
厚生労働:手話ができないろうあの人たちもいる。手話ができないことで、資格を得
られないとなるのは、おかしい。
DPI:本人にとって、一番よい補助手段はなにか、を本人が判断することが重要。そ
のときに、補助手段として、どこまでが受け入れられるのか、本人の意思がとおるバ
リエーションがどれほど念頭におかれているのか、が問題。
厚生労働:基本的には、どのような手段でも可。使いやすいものを使ってもらったら
いいんです。但し、問題は、視覚障害の場合。人的手段として、どこまで、「本人」が
やったことになるのか、を判断するのは難しい。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
DPI:どのような補助手段が必要で、なにがあればできるのか、を考えるのも、ガイ
ドラインや検討委員会のなかでやっていけることでは。実際に、すでに補助的手段を
活用している当事者からアドバイスを得ることも可能だろう。
厚生労働:これまで、絶対的欠格だったので、事例が非常に少ない。どこまで、具体
的な事例を用いて検討できるのか。難しい。想定して、というのは、無理な話。判例
や事例の積み重ねをやっていくほかない。
DPI:ヒアリングを積み重ねていくことが必要。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
DPI:意見聴聞のこと。最終判断を下す委員会は、どういう性格なのか。
厚生労働:委員会は、常設ではない。判断基準は、あくまでも「業務遂行能力」の
み。判断を下すプロセスは、今はまだわからない。テスト期間を設けることは、実際
上無理。今回の法改正の中で、申請を却下する場合の法的手続きに関しても示すこと
ができる。行政手続法では、すでに資格等の取得によって、ある地位にいる人に何ら
かの処分を下す場合は、あらかじめ伝えなければならないが、新しく申請する者に対
しては、それは必要ない。改正試案は、新規の申請者に対して、処分についてあらか
じめ伝えることを提起しているので、その点は、一歩踏み込んでいる。
DPI:補助的手段の設置などは、事業者の義務規定とするのか?
厚生労働:薬局等構造設備規則という省令で、義務規定とする。一般の販売業や病院
などで、どうするかは、今後の検討課題。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
DPI:教育機関や高等教育を受ける過程について。
厚生労働:それは、別途、文部科学技術省にお願いしている。法律上、そのような養
成過程について、こちらの法律で書くのは、難しい。
DPI:必須科目とされる臨床実習などでの補助的手段について検討して欲しい。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
DPI:取得後欠格について。
厚生労働:今後は、相対欠格なので、取得後も取り消すことができる、つまり、言い
換えると、取り上げられない場合もある、ということに変わる。その場合は、業務上
の状況を見て判断する。改正法の施行以降、そういった具体的な状況を知りうるの
で、事例集ができていくと思う。
DPI:補助的手段の多様性を具体的事例にあわせて、検討し、ガイドラインを作成し
ていって欲しいと考える。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
記録;瀬山(以上)
-------------------------------------------------------------------------------
障害者欠格条項のページに戻る ホームページに戻る