2001年6月4日
衆議院厚生労働委員会
理事(委員) 様
障害者欠格条項をなくす会
共同代表 牧口 一二 大熊 由紀子
DPI(障害者インターナショナル)
日本会議 議長 山田 昭義
全国自立生活センター協議会(JIL)
代表 中西 正司
(本要望書の賛同団体)
日本障害者協議会(JD)代表 調 一興
「障害者等に係る欠格事由の適正化を図るための医師法等の一部を改正する法律案」に関する緊急要望書
貴職におかれましては、日頃から障害者の人権に係る施策に取り組んでおられることに敬意を表します。
現在、「障害者に係る欠格条項の見直し(対処方針)」(99年8月)が打出されて以降の「改正」に向けた動きが、今通常国会において本格的にはじまっています。
「医師法等の一部を改正する法律案」(改正法律は27本・31制度の一括見直し案。以下、医師法等の改正案と略)では、表面上(法律本則)は、障害名や病名を特定し絶対的欠格としてきたこれまでの条文を相対的欠格事由へと改正し、「心身の障害により(各資格等の名称)の業務を適正に行うことができない者」としていますが、省令事項にはこれまでどおり障害名・病名を列記し、国家試験に合格したとしても、特定の障害をもつ者を排除する可能性を引き続き残すものとなっています
「医師法等の改正案」は、4月5日、参議院厚生労働委員会で参考人質疑を含んだ審議の末、付則として施行後5年を目途とした見直しに関する規定が追加され、9項目の附帯決議をつけて衆議院厚生労働委員会に送られています。
私たちは、衆議院厚生労働委員会の審議に向けてもっとも重要なことは、本来、業務を適正に行うことができるか否かの問題を判断する場合に障害の有無・程度以外にも、知識・技能の有無・程度、その他諸々が存在するのであり、試験においてそれらを総合して判定されるべきものであると考えます。にもかかわらず、障害の有無・程度のみを取り出し、それを欠格事由として、試験等の結果とは切り離して判定することは、障害者に係る欠格条項の問題点と差別性を理解していないと言わざるを得ません。
それとともに「業務遂行能力」の有無は、どのような範囲までを本人が必要とする「補助的手段」として考慮するかによってその判断が大きく異なってきます。
私たちは、関係法律に補助的手段の整備を盛り込むことが、「5年後の見直し」において必要不可欠であると考えます。本人が必要とする補助的手段の積極的な整備によって個別具体的な事例が生み出され、そうした事例を障害者の社会参加を促進する方向のもとで検証することによって、「5年後の見直し」が本当に実効性のあるものになるといえます。
つきましては、貴委員会の審議において、下記の事項を積極的に検討されるよう要請いたします。
【要望事項】
1.この度の「医師法等の改正案」の本則または付則に、「政府は、補助的手段の整備に必要な措置を積極的に講じること」を追加事項として盛り込んでいただきたい。
2.参考人質疑を実施していただきたい。
以上
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